子育て

今の自分にぴったりの働き方へ

● 休職・退職者が急増

現在、潜在看護師といわれる看護師免許を持ちながらも何らかの事情で看護師として働いていない方が54万人いるといわれています。子育てがひと段落すると再び復職する方もいますが、女性は特に子育てや介護を一手に引き受けるため、復職してもパートや派遣のような働き方を選ぶ方もいます。
キャリアが中断してしまうと、社会保障も少なくなりますし、生涯得られる給料にも大きな差が出てきてしまいます。何より、素晴らしい知識と技術を持ちながらも休職している方に何とか復職してもらいたいと、医療関係機関全体で労働条件の改善に積極的に取り組み始めました。
育児や介護等でもできるだけ離職せずに働き続けることができる仕組みづくりがあちこちでなされています。

● 働き続けられる職場づくりを

深刻な看護師不足により、一人ひとりの負担がさらに多くなり、退職者が一人出ることで、周りの負担が急激に増え、さらに退職者を増やしていくといった悪循環に陥っている病院もあります。
看護師が離職・休職するきっかけとなるのが、子育てと介護です。まずは子育て中のママさん看護師が、離職せず、ずっと働き続けられる仕組みづくりを積極的に進める病院もあります。

【短時間勤務が可能に】

常勤でありながら、子育てのために短時間勤務をすることができるようになりました。短時間勤務またはフレックスタイム制を選択できるようになりました。また子供が小さいうちは、夜勤の免除があります。
これらの仕組みは、以前、100床以上の病院で適応されていましたが、平成24年度からはすべての病院で本人の申請があれば設置することとされています。
こういった勤務時間の変更のほかに、院内に託児所や学童保育を設けて看護師が安心して働くことができる施設の充実を図っている所もあります。中には24時間保育を実現させ、ママさん看護師であっても安心して夜勤をすることができる病院まで誕生してきています。

【子供の病気休業】
子供の急な発熱などの看護のために休業日数が保障されています。

【ワークシェア】
ママさん看護師は経験豊かで技術力もありますから病院の方でもママさん看護師を積極的に雇用する病院もあります。ママさん看護師がたくさん働いている病院では「ワークシェアリング」を行っている所もあります。常勤の看護師2人分の勤務時間を3人でシェアすることにより、短時間勤務が可能になっています。また、お互いママですから、子供の急な病気や子育ての悩みなどをたがいに相談したり、休みを融通し合ったりしながら助け合い支え合うことができます。
独身者ばかりが勤務している病院では、子供の急な発熱や学校の都合で休まなければならなくなったときも、なかなか周囲に理解してもらえず、孤立していってしまうということがあるようです。そういった心配がありませんね。

● 自ら申請しないと利用できないかも

これらの子育て支援に伴う労働条件の改善は、すべての病院に対して義務付けられていますが、「本人の申請があって初めて適応される」場合があります。もしも前例がない場合は、ご自分で申請しないといけません。
お勤めの事務さんに相談し、ご自分の病院ではどのような仕組みがあるのか、どういった申請方法をすればいいのかについて確認しておいてください。

● スキルアップのために短時間勤務制を利用できる病院も

看護師がずっと働き続ける仕組みづくりとしてワークライフバランスを整えることも言われています。このワークライフバランスや短時間勤務制度は、「子育てや介護」等のイメージがとても強いですが、「自分のスキルアップのために利用する」ことを許可している病院もあります。
現在スキルアップに熱心な看護師が増えており、自分の専門性を高め、スキルアップをするために積極的に研修や勉強会に参加する方も増えてきました。そういった方を対象に、短時間勤務制度を利用したり、フレックスタイム制を起用して、勉強時間以外のところで勤務する方法を許可している所もあります。
出産や子育て中のママさん看護師が、スキルアップを図るために研修や勉強、資格取得を積極的に行う方もいます。ぜひご自分の病院の仕組みを点検してみてください。

参考サイト⇒ママさん看護師応援し隊!求人情報|宮崎版